日本福祉文化学会

沖縄ブロック

   


 
   「現場セミナー2017inおきなわ 発刊」

    


目次(抜粋)
【はじめに】 沖縄現場セミナーに望むこと
 日本福祉文化学会 会長 馬場清
【基調講演】戦争と福祉〜今なお引きずる沖縄戦と米軍占領〜
フリージャーナリスト山城紀子
【シンポジウム】 戦争と福祉〜沖縄を考える Part1〜平和の文化を育てるために
シンポジスト
山城 紀子 (フリージャーナリスト)
仲地 博 (沖縄大学 学長)
浅井 春夫 (立教大学 教授)
結城 俊哉 (立教大学 教授)
コーディネーター
薗田 碩哉 (日本福祉文化学会 顧問)
【現場セミナーへの思い】
日本福祉文化学会 副会長 永山誠/日本福祉文化学会顧問 薗田碩哉/沖縄福祉文化を考える会会長 佐久本真智子/沖縄福祉文化を考える会事務局長 安里和子/日本福祉文化学会副会長 岡村ヒロ子

定価:500円(税込み) 郵送料別途
【お問い合わせ】
日本福祉文化学会事務局
E-mail:fukushibunk@lagoon.ocn.ne.jp
 
  久高島の祈り 〜イメージとしての沖縄現場セミナー  永山 誠

1.4回目の訪問
 私の最初の沖縄訪問は復帰(1972)前、たぶん71年、パスポートを取り1カ月間の滞在でした。JNNニュースキャスター琉球放送・稲福健蔵氏の勧めです。
 米軍が闊歩する那覇の繁華街に驚き、ひめゆり部隊生き残りとされる方の自宅で手料理をいただきながら当時の話を伺い、歴史的に軍隊がいなかった非武装の久米島では旅館の女将に「島で暮らさないか」と誘われ、米軍基地・金武では写真撮影でトラブル。帰国日、那覇港で真紅の雄大な夕日に感動しフィルム最後の1コマのシャッターを力いっぱい押した。それから4回目。今回の訪問は「沖縄福祉文化を考える会」(佐久本会長、安里事務局長)福祉文化実践賞受賞後最初の現場セミナーに参加するためでした。

2.久高島の祖霊
 沖縄(琉球)の祖・アマミキヨ「降臨の地」久高島は訪問日晴天でした。徒歩コースのガイドは内間豊さんです。久高島の神域に降臨した神は5000年前ごろ古代アーリア人が生んだゾロアスタ―(拝火)教の流れを汲むと一気に説明する。降臨時期は日本へ仏教が伝来した飛鳥時代か、沖縄には2万年余前の湊川人、石垣島出土人骨は2万4千年前なので、あるいはもっと古い。私の歴史尺度では歯が立たない。さらに驚いたことは、久高島は今も神が統治していることです。
 島民は15歳から島に点在する小面積の畑を何筆も与えられて耕し50歳をすぎると返還する。島全体がほぼ共有地で、登記上は私有地。私の解釈では「神が所有する島」です。200に満たない島民は今も神の教えに従って暮らしています。本土復帰前に私が訪れた久米島でも同じように「3年間耕せば耕作権が得られる」。土地があるから耕すのではなく、生活するために土地が与えられこれを耕すのです。神の掟を守ることによって生活が守られている。
 中国の金文によれば福祉の「福」とは、神前に捧げ物を供えて祈ると、神が私たちに分け与えてくれる幸いです。したがって久高島は「福祉の島」といえのではないか。
最近の社会福祉養成教科書では、福祉とは「自己責任」「自立支援」と説明されますが、この定義は一体何だったのか改めて考え直す必要があります。
 江戸時代、島津藩は久高島に目付、横目付を置いて監視し、島民のコミュニティを支配しました。島を歩くと現在のコミュニティにもそのコンフリクトの影が残っている。「共に生きる」という教科書風の地域福祉の理念は、歴史抜きの人工的な地域福祉理論ではないかと疑問がわきます。そして「沖縄福祉文化を考える会」の歩みが長く継続できた秘密も、沖縄の歴史を学ばないと理解できない部分があると思いました。
 オリオンビ−ルを飲みながらガイドの内間さんと別れ際に交わした会話です。N:「ガイドを文章にしないのですか?」U:「文字では部分しか伝わらないのでだめです」N:「口伝ということですね」U:「そう」。文字社会の基層には膨大な文化としての無文字(口承・音および図像)社会がある。現在の文字社会は無文字社会と併存して存在していることを解明した文化人類学者・川田順造『無文字社会の歴史』(1976)をふと思い出したものです。

3.沖縄大学学長・仲地博先生のこと
 1998年ごろ私は、『小湾字誌−沖縄戦・米占領下で失われた集落の復元―』(1995、A4版826頁)を読みました。沖縄戦で壊滅した浦添市にある小湾という集落の復元をめざす記憶の総合研究報告書です。「戦火で消滅した地域の復元は不可能」と思い込んでいた私は『小湾字誌』に驚きました。「戦争と福祉」のシンポジスト仲地博先生とお会いし小湾についていくつかの質問をし、結局1時間近くのやり取りになりました。仲地先生は沖縄各地の地域史をよく承知しており、貴重な助言をいただきました。
 振り返って思ったのは、集落が灰塵に帰してもコミュニティが残っていれば地域の姿の復元は可能で、人間が生きている限り戦争や破壊があっても社会の歴史は抹殺できない。歴史の復元力を担保するものは「みんなで生きる」ことであり、「みんなで生きる」ための知恵が福祉ではないのか。つまり「福祉は生きるための最後の砦」だということです。
 仲地先生は懇親会に最初だけ顔を出すといわれていましたが、「この日本福祉文化学会の懇親会参加率はとても高いですね」と述べられ、結局1時間近く歓談されたと思います。

4.能を思わせる荘厳な沖縄舞踊
 懇親会では泡盛「咲元」を口に含み味わいながら沖縄舞踊を拝見した。高嶺久恵(沖縄県立芸術大学教授)さんは沖縄の現場セミナーは2回目の出演とうかがいました。
にぎやかな演目しか知らない私は、植物の冠と白装束に身を固め初穂を神に
捧げる高嶺久恵さん(沖縄県立芸術大学教授)の舞(題「初穂」)は祭式作表法だとはじめて知りました。静寂と荘厳さが精神の強靭さまで醸し出すのには圧倒されました。琉球の歴史に流れる精神を表現しようとする能舞台に思えました。「舞かなの会」によるこの全4演目は沖縄の歴史を一覧するような不思議な気分を味わったものです。懇親会の域をはるかにこえ、豊饒な琉球王朝の泡盛「咲元」とこの沖縄舞踊の組み合わせは、互いに共鳴し合う見事な内容でした。

 早朝私は、首里城入口にある「守礼の門」を訪ねました。扁額には「守礼之邦」とある。中国・万歴帝(1563−1620)の詔勅に「琉球は守礼の邦と称するに足る」とあり、ここからとられた文字です
静寂に包まれて天にそびえるように立つ門を見上げるとまぶしく、即座に手で朝日の光をさえぎりました。すると何か声が聴こえました。

「琉球の歴史の何たるかは、『守礼の門』の天に伸びるその高さによって知るべし」

礼節によって外交や内政をすすめる「邦」は、過去から暴力や戦争という非礼な行為と対峙してきたのです。
(2017.4.8)
 
   2016年度 沖縄現場セミナー「現場セミナー2017 in おきなわ」報告

・主 催;日本福祉文化学会・沖縄福祉文化を考える会
・期 日;2017年2月18日(土)〜19日(日)
・会 場;18日(土)沖縄大学 ・19日(日)久高島
*参加者:セミナー106名・懇親会49名・久高島歴史探訪45名
・テーマ;「戦争と福祉 〜沖縄を考えるPart 1〜平和の文化を育てるために」
[2月18日(土)]
・基調講演;「戦争と福祉 〜今なお引きずる沖縄戦と米軍占領〜」

講師:山城紀子氏 (フリージャーナリスト)
・シンポジウム;「戦争と福祉 〜沖縄を考えるPart 1〜 平和の文化を育てるために」
シンポジスト:山城紀子氏(フリージャーナリスト)仲地博氏(沖縄大学学長)
浅井春夫氏(立教大学教授)結城俊哉氏(立教大学教授)
コーディネーター:薗田碩哉氏(日本福祉文化学会顧問)
・懇親交流会;「琉舞かなの会」の皆様による琉球舞踊の披露
[2月19日(日)]
・沖縄歴史探訪「久高島」(沖縄発祥ともいわれる神の島)


【沖縄現場セミナー概要と感謝の言葉】            沖縄ブロック担当 岡村 ヒロ子
 沖縄での現場セミナーは、2005年以来、12年ぶりだった。一昨年「戦争法」が強行採決されたことに対し、学会は昨年、「福祉を破壊する戦争法の廃止を求める日本福祉文化学会声明」を理事会声明として意思を表明した。2016年度の東京大会では「戦争と福祉文化」というテーマで分科会を企画し、論議を展開した。沖縄現場セミナーでは、その動きを受け、基調講演では、自らの取材記録をもとに米軍占領下での福祉政策の立ち遅れ、盲老人・高齢者・精神障がい者の実態について、沖縄で活躍するフリージャーナリスト山城紀子氏にお話しいただいた。参加者からは、その衝撃的な事実に今なお戦争の爪跡が影を落としていることに心を揺さぶられたという感想が寄せられた。シンポジウムでは、憲法学者の仲地氏が「沖縄の歴史」「憲法の意味」について口火を切り、それを受けて浅井氏は「政府と沖縄の関係」「戦争と福祉(福死)のつながり」について論議を広げた。山城氏からは「戦争と性犯罪」「女性たちの取り組み」について、結城氏は、「沖縄文化の豊かさと多様性」「発信していく力を沖縄から学ぶ」という視点から、多様な発言があった。「平和の文化をどう育てるか」については、共通して「一人ひとりを尊重すること」「多様性を認めること」が大切であると結んだ。仲地氏からの「国境の壁はなるべく低く、弱く、小さくありたい。そうすることで平和な社会が創られるのではないか」というお話が、今回の現場セミナーの意義を明確にしたように思う。参加なさった方々には今回、沖縄から発信された論議をぜひ身近なところで意見交換していただき、思いが繋がっていけたら幸いである。
「久高島」への歴史探訪は雲一つない晴天に恵まれた。斎場御嶽から、輝く海の彼方に久高島を礼拝し、厳かな面持ちで島へ渡った。島の歴史・神にまつわるしきたり・霊地についてガイドの詳しい説明を受けながら探訪し、たいへん奥が深いことに感銘を受けた。
二日間を通して、トラブルもなく無事に終えることができ、安堵の気持ちでいっぱいである。
参加して下さった方々、関係者の方々には心から感謝申し上げます。ありがとうございました。
 
   「現場セミナーへの再々度の参加者募集」
●「申し込み方法を郵送・FAXに加え、E−Mailも可能です。

【申し込み、問い合わせ】
・沖縄福祉文化を考える会:事務局・安里和子
  住所:〒904−0103 沖縄県北谷町桑江478−12
  TEL & FAX:098−936−5568 携帯:090−3199−4510
  メールアドレス事務局 安里和子 keia0926@tc4.so-net.ne.jp

・岡村ヒロ子:
  携帯:090−9995−9694 
  メールアドレス:h-watashi.4.25@leto.eonet.ne.jp
沖縄現場セミナー緊急オプショナル企画!
沖縄現場セミナー オプショナルセミナー:木村浩子さんを囲む会企画
「土の宿」木村浩子さんにうかがう咲かせた花は大輪
−障がいをもつ人ももたない人もイエス・ノーが言える社会を目指して−


 当初は阿比留久美事務局次長の個人のつながりでの企画でありましたが、内容がよいということで学会員に広く働きかけることができないかという提案がございました。三役会、理事会で緊急審議し、開催スケジュールや広報の問題等もございますが、会員から出てきた良い企画を学会活動に広げていくためにも、広く募集することに意義があるという結論に至りまして承認となりました。
 下記の通り、沖縄現場セミナー緊急オプショナル企画を開催いたします。すでに沖縄現場セミナーの計画をされている方が多くいらっしゃるとは思いますが、もしお時間の都合がつきましたらご参加くださいますようお願いいたします。
(日本福祉文化学会 事務局長 前嶋  元)


日時:2017年2月17日(金)17〜19時
場所:ぎのわんセミナーハウス  http://w1.nirai.ne.jp/oki-gsh/
電話番号:098−898−4361
アクセス:那覇空港ターミナルより那覇バス111、琉球バス113・123に乗車し、琉球大学入口で下車(約40分)。下車後徒歩300メートル。
【時刻表】那覇空港発のバスは、平日は以下の時間に出発します。(平日)15:00 15:15 15:45 16:00
参加費:500円(資料代)
申込み方法:沖縄現場セミナーオプショナルセミナー事務局 阿比留久美宛
fukushiokinawa@hotmail.comまたは、03-3712-3186(FAX))にお名前、参加人数をご連絡ください。

詳細 チラシ(ここをクリック☆)
 
 


「現場セミナー2017 in おきなわ」
「戦争と福祉 〜沖縄を考える Part 1〜 平和の文化を育てるために」


日程:2017年2月18日(土)〜19日(日)
場所:1日目・沖縄大学 2日目・歴史探訪「久高島」
主催:日本福祉文化学会、沖縄福祉文化を考える会


【セミナー趣旨】

 沖縄で開催される現場セミナーは、2005年以来、なんと12年ぶりです。
 日本は、一昨年「戦争法」が強行採決され、「戦争する国」へと舵を切りました。戦争が「民の暮らし」「その地に根付く文化」を破壊してしまうことを、日本は忘れてしまったのでしょうか?学会は昨年、「福祉を破壊する戦争法の廃止を求める日本福祉文化学会声明」を理事会声明として意思を表明しました。さらに、2016年度の東京大会では「戦争と福祉文化」というテーマで分科会を企画し、論議を展開いたしました。
 沖縄での現場セミナーでは、その動きを受け、参加者の皆さま方とさらなる論議を深め、学会の原点である「平和なくして福祉なし」を再認識する場としたいと考えております。
 沖縄の方々が皆さまのご参加を心待ちにしていらっしゃいます。どうぞ、万障繰り合わせの上、沖縄へお出向きくださいませ。

【日程】
2月18日(土)
13:10〜13 :20 開会の挨拶
日本福祉文化学会 会長 馬場 清
「沖縄福祉文化を考える会」会長 佐久本 真智子
13:20〜14:50 基調講演
テーマ:戦争と福祉〜今なお引きずる沖縄戦と米軍占領〜
講師:山城紀子氏 (フリージャーナリスト)

15:00〜17:00 シンポジウム
テーマ 「戦争と福祉 〜沖縄を考えるPart 1〜 平和の文化を育てるために」
シンポジスト
 ■山城紀子氏(フリージャーナリスト)
 ■仲地 博 氏(沖縄大学 学長)
 ■浅井春夫氏(立教大学 教授)
 ■結城俊哉氏(立教大学 教授)
コーディネーター
 ■薗田碩哉氏(日本福祉文化学会顧問)

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2月19日(日) 9:00〜
沖縄歴史探訪 久高島(沖縄発祥の地といわれている神の島)

集合場所;県民広場(モノレール県庁前下車、徒歩2分、県庁前)

服装;動きやすい衣服(ズボンが望ましい)、運動靴(斎場御嶽では坂道・石道、久高島では海辺を歩きます)

日程;
集合時間;8:45(厳守)
県民広場;9:00発
⇒斎場御嶽;10:00着/11:00発
⇒安座真港フェリー;11:30発
⇒久高島:徳仁港;11:45着
⇒昼食;久高島離島総合センターにて 12:00〜12:50
⇒久高島歴史探訪(車班・徒歩班・レンタルサイクル班)13:00〜15:30
⇒自由散策;15:30〜16:15
⇒久高島:徳仁港フェリー;16:30発(最終便)・・・「宿泊者のお見送り!」
⇒安座真港;16:55着/17:15発
⇒県民広場;18:30着(渋滞も考えられます)
*19日中に帰る方は、遅い時間帯の航空便を手配なさることをお勧めします。

諸経費
○チャーターバス(ドライバー共);交渉中 参加者数で頭割り 
○斎場御嶽の入場料;300円(参加者が多いと団体割引になります)
○参加者20〜30名の場合、フェリーは貸切の臨時便となります。その場合、出航時間が変更になることも考えられます。
○フェリー代金;高速往復1,420円(参加者が多いと団体割引になることも考えられます)
○久高島ガイド料;車班(7人乗り=8000円、3台可)徒歩班(4人1グループ6000円) 頭割り
○レンタサイクル;300円/時

久高島歴史探訪コース *2時間程度(希望される方)
○ガイド;内間豊氏 他3名
メーギ浜⇒ハンチャタ⇒横目屋敷⇒外間殿⇒久高殿⇒フボーウタキ⇒ハビャーン(カベール)⇒イシキ浜

民宿(久高島での宿泊をご希望の方)
 @民宿西銘 098-948-2294         A二ライ荘 098-948-2292
 B小宿SAWA 098-948-1630       C簡易郵便局 098-948-2236
 D交流館 098-835-8919          Eちばい小 090-5933-5804
 *久高島での宿泊をご希望の方は各自でお申し込みください。食事が用意されない民宿が多いので要確認。唯一、21時まで営業の「レストランとくじん」があります。寝衣・洗面道具・バスタオル・タオルは持参のこと。昭和30年代へタイムスリップします。

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【重要】
*参加費は振込みではなく、現地にてお支払いください。

【申し込み、問い合わせ】
・沖縄福祉文化を考える会:事務局・安里和子
  住所:〒904−0103 沖縄県北谷町桑江478−12
  TEL & FAX:098−936−5568 携帯:090−3199−4510

・岡村ヒロ子:
  携帯:090−9995−9694 
  E-mail:h-watashi.4.25@leto.eonet.ne.jp

詳細チラシ ←ここをクリックするとPDFファイルが開きます。




     
     

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