日本福祉文化学会

高齢者「アクティビティ・レクリエーション」一周年記念セミナー開催報告
 アクティビティとレクリエーションの新しい形
          (高齢者アクティビティ開発センター・菊池貴美江)
        

日本福祉文化学会 福祉と遊び・レクリエーション研究部会は、要介護者の生活の質を高めるアクティビティやレクリエーションについて学ぶセミナーを定期的に行っています。
一周年を迎えた2009年5月23日、藤原茂氏(夢のみずうみ村代表/山口県)をお迎えして記念セミナーを開催致しました。介護職、作業療法士を中心に、看護師、施設経営者などアクティビティに関心のある方々130名以上が集まり、藤原氏の熱い語りに感動し、利用者が主体となって活動する大切さを理論だけでなく様々な取り組みから学びました。2つのキーワードから紹介致します。

徹底した自己選択・自己決定
 夢のみずうみ村は「人生の現役養成道場」であり、道場は自分が望んで来る所、社会性を要求される街角、小社会。社会機能を促すアクティビティがあるのではなく、社会参加することがアクティビティであると考え、そこでの過ごし方は自己選択・自己決定が鉄則。プログラムの中には「何もしない」という選択肢もあるというデイサービスです。
 施設の特徴は、1ステップ1グッズで、私物ロッカー代わりのたんすを適度な間隔で置き、手をかけたり、もたれかかって歩くなどのバリアアリー設計。随所に、機能維持、リハビリにつながる様々なしかけが施されていて、利用者自身の歩いてみようという気持ちが促されています。
 プログラムも多種多様で、職員や利用者が指導者となって行う教室や、自由にいつでも始められるものがあり、それを来所時に自己選択することから始まります。
さらに、それらに参加するために施設内通貨(ユーメ)を支払わなければなりませんし、稼がなければなりません。毎日3時から開かれる賭博場で花札したり、壁のクイズに答えたり、内職をしたり・・・稼ぐメニューも豊富にあって、自己選択・自己決定の連続です。

プロは引き算の介護を考える
できそうなことは介護の人が手を出してはいけない
 できないことのみ介護の手を加える


 プロは足すか引くかを明確に見極めるものですとの藤原氏の言葉に大きくうなずいた方は多かったと思いますが、できそうなこともしたがらない方にどのように介護者は関わればよいのでしょうか。
 それには、利用者の「心が動く=意思が働く」環境を用意することや、心が動くための「心ほぐし財」は身近に転がっているので、それに気づいて活用していけるように動けることが大切であると。
 みずうみ村では、2人の職員が必要と思ったアクティビティに経費をかけて行えるルールがあるそうで、このような職員のモチベーションを高める取り組みに驚き、藤原氏の職員育ての素晴らしさもわかりました。

 セミナー全体は、初めに、この会の代表である薗田碩哉氏の基調講演で、福祉現場におけるレクリエーション、アクティビティの意義の再考の必要性があると問題提起しました。
後半のパネルディスカッションでは、藤原氏、薗田氏とともに、会の主要メンバーである高橋紀子氏、多田千尋が加わり、馬場清氏のコーディネートで、藤原氏の話をさらに深めることができました。
詳しくは、2月の福祉文化学会の大会までに報告書をまとめる予定ですので、ご覧くださいませ。


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