日本福祉文化学会

第28回日本福祉文化学会東京大会



   東京大会報告
“いのち”と“くらし”のあり方を文化の視点から考える
〜大会の成果を受けて、自主ゼミナールがスタートします!〜
馬場清(日本福祉文化学会会長)


 去る2月18日(日)、立教大学池袋キャンバスにおいて、第28回日本福祉文化学会全国大会(東京大会)が、「“いのち”と“くらし”を拓く福祉文化の創造」をテーマに開催されました。ここでは今回の大会の特徴と成果について、報告します。
まず内容面では、この間、研究委員会を中心に進めてきた福祉文化研究の方法「文化の視点から福祉を見る」ことにこだわりました。特に上野千鶴子さんを迎えた特別講演では、死に関わる、多くの人びとがとらわれている慣習、制度、価値観など=死に関わる福祉文化、を改めて問い直す機会となりました。
 また会員企画による2つの自主シンポも画期的な内容となりました。テーマももちろんですが、報告者が、当事者だったり、福祉とは縁のない(?)スポーツ業界や遊びの専門家だったりした点です。まさに当学会の特徴が色濃く出たシンポとなりました。終了後、まったく異なる分野の報告者同士が交流をすることができたのも、大会の成果と言えるでしょう。

 「時代に対応する学会の新しい方向性を打ち出す」ことを目的として、今年度からスタートした「福祉文化研究・調査プロジェクト」の中間報告も、「戦争と福祉」、「介護従事者の文化活動」、「日韓福祉レク比較」など、多彩な内容となりました。
運営面では、1日開催という枠組みの中で、関わった会員の方々の創意工夫と見事な役割分担で、「省力化」と「内容の充実化」を両立させるという「荒技」を、見事に成し遂げることができました。
さらに特筆すべきは、「おひとりさま部会」の立ち上げです。これは特別講演を受けて、さらに議論を深めようと、会員の自主的な動きとして、東京、大阪の2カ所で、今後も継続したゼミナールを開催するものです。
 東京大会が、私の会長としての3年間の総決算とも言うべき大会になり、今はホッとしています。まずは大会運営に携わってくださった方々にお礼を述べたいと思います。そして今回の成果を次に引き継ぎ、来年の大阪大会でまた多くの皆さんと語り合えることを願ってやみません。次は大阪で会いましょう。
 

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自主シンポジウム1「スポーツ×福祉がひらく未来」 報告:中島智


 (一社)東京スポーツクロスラボ代表理事の久保田淳氏からは「Jリーグのクラブでの活動事例」として病室とスタジアムを繋ぐ分身ロボット等について、NPO法人ソーシャルフットボール協会副理事長の徳堂泰作氏からは「精神障がいとフットボール」について、NPO法人バルシューレジャパン理事の福士唯男氏からは世代を超えたスポーツ促進プロジェクトとして「バルシューレの可能性」についてお話いただいた。また(一社)鬼ごっこ協会の平峯佑志氏から提供頂いた資料を基に「スポーツ鬼ごっこを通じた学童や放課後教室への取組」について中島が紹介した。いずれも遊びの要素が根底にある点で共通し、スポーツと福祉分野の協働の可能性が示された。

 

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自主シンポジウム2「病気や障がいのある子どもの生活と遊び」 報告:善本眞弓



 「医療的ケア児」とそのご家族の生活と遊びに焦点をあてたシンポジウムを開催した。
 すぎなみ重度心身障害児親子の会みかん組の副代表:荻野志保さんと会員:平井未香さんより、お子さんの障がい、1日の生活、家族の思い、保育施設受け入れの困難、子ども同士の関わり、経験を広げるイベントの開催など貴重な話題提供があり、続いて、東京おもちゃ美術館副館長の石井今日子さんから難病の子どもと家族が楽しめる貸し切り招待イベントの実践報告があった。それらを受け、助言者:榊原洋一先生より、遊びの大切さ、子どもの意志、親子のQOLの重要性、インクルーシブのあり方にまで言及された論点整理と示唆をいただいた。参加者からの感想・意見もいただき、今後につなげる必要性を痛感したシンポジウムとなった。

 
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日本福祉文化学会2017年度福祉文化実践学会賞
NPO法人「小さな種・ここる」

 
 福井県鯖江市NPO法人「小さな種・ここる」に決定。2005年から本人家族、行政、市民等の協力をえて、鯖江市「協働パイロット事業」として発足。2012年からNPO化。
 うつ病、自閉症、統合失調症等の方がたが減農薬野菜を栽培、これを「ランチレストラン」「カフェテリア」でメニューとして提供しています。「しごと確保」を原点にした福祉実践です。
 表彰式では理事長の清水孝次氏に馬場会長から表彰状と賞金が授与されました。


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福祉文化研究・調査プロジェクト報告  報告者:佐藤嗣道

 福祉文化研究の活性化をめざし、研究課題を公募し助成金を支給する新プロジェクトが昨年、開始された。理論研究/実践研究/調査の3ジャンルで研究課題を公募し審査した結果、4つの研究課題が採択された。
この度、東京大会においてその研究成果の一部が報告された。理論研究(2題)は、戦争と福祉文化に関する課題であり、篠原拓也らによる「戦時に福祉文化を実現させた思想―坂東俘虜収容所における文化的活動を題材として」、および結城俊哉らによる「戦争文化に抗する福祉文化思想の基盤研究」が発表された。
実践研究は、滝口真による「高齢者施設における福祉レクリエーションの日韓比較調査研究」で、韓国の状況が報告された。調査では、福山正和らによる「福祉・介護従事者の文化的活動への参加についての調査研究」の具体的計画が報告された。
いずれも今後の発展が楽しみな内容であった。


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上野千鶴子さん特別講演 報告者:阿比留久美


 特別講演では、家族福祉に依存せずに生き、そして最期を迎えていく「おひとりさま」の老後と最期について実践的に研究し、解き明かしてこられている上野千鶴子さんに「死にゆく者の自律」と題してご講演いただいた。
 上野さんによれば、この10年の間に自分の家でひとり暮らしをしながら最期を迎える「在宅ひとり死」の条件は「家族がいること」から、家族を中心とした関係者が少なく「外野のノイズが少ないこと」に変化した。
介護保険制度成立による地域包括ケアシステムの整備によって、支える側も支えられる側も特別な資源がなくてもできるかぎり在宅で過ごすことが可能になった。病院や施設への入院・入所は、当事者のニーズによりも家族のニーズによって決められてしまっている現状があるからこそ、当事者の最大限の自律を尊重することが必要だということが上野さんから提唱された。
 また、「独居高齢者」に対して寂しい、孤独だというイメージがもたれることもあるが、高齢者の統計データによればひとり暮らしは満足度が高く、悩みが少ないという事実が明らかにされており、イメージと実態は異なる。
高齢化社会と人口減少社会がますます進む日本において、老いと死を受容する文化へと文化のありようを変えて、長生きが呪いではなく祝福と感じられる文化へと変容させる必要性を説く上野さんの話は、すべての人の生が祝福される生の在り方への提言にもつながっているといえよう。

 



 
  《事前申込締切日延長!》
   2月2日(金)⇒2月9日(金)まで事前申込 延長
   *締切日以降でも定員に空きがあれば参加可。
   *詳細は、大会事務局へお問い合わせ(メールまたは専用電話)下さい。


第28回日本福祉文化学会東京大会概要

大会テーマ:福祉文化の未来を考える

 ■大会チラシ
 ■大会パンフレット
 ■申し込み書Word版
    ※参加申し込みはパンフレットをご参照ください。

会期】2018(平成30)年2月18日(日)
【会場】:立教大学池袋キャンパス  〒171-8501 東京都豊島区西池袋3-34-1
〔アクセス〕
JR各線・東武東上線・西武池袋線・東京メトロ丸ノ内線/有楽町線/副都心線
「池袋駅」下車。西口より徒歩約7分。

引用:立教大学アクセス(http://www.rikkyo.ac.jp/access/pmap/ikebukuro.html

【大会日程】
2018(平成30)年2月18日(日)
時間   内容
9:00〜  総会
9:45〜  開会セレモニー
10:15〜 研究発表 自主シンポジウム
12:15〜 昼休み
13:15〜 福祉文化研究・調査プロジェクト報告
14:45〜 休憩
15:00〜 特別講演
16:00〜 閉会セレモニー
16:30〜 懇親会(開催校で実施予定)

【大会日程】
大会参加費  会員 個人団体 \2,000 学生¥1,000
       非会員 一般¥2,500 学生¥1,000
懇親会参加費 ¥4,500

【お問い合わせ先】日本福祉文化学会 事務局(担当:前嶋・佐久間)
メール:fukushibunka@lagoon.ocn.ne.jp      FAX:029-896-9389      
大会専用携帯:090-2171-5101(留守電対応あり。氏名と連絡先をお知らせください。)
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【研究発表申込について】
締切日:2017(平成29)年11月30日(木)(必着)

・福祉文化に関する理論、実践、調査研究を募集します。
・別紙申込書記載の上、下記要旨集を作成し締切日までに提出してください。

《申込資格》
・2017年11月30日現在会員であること。
・2017年度会費を11月30日までに納めていること。
・別途、大会参加申込を必ず行うこと。
・研究発表申込書および要旨集のデータを締切までに送付すること。

《研究発表の条件》
 ・発表内容は未発表のものに限る。
 ・研究発表は日本福祉学会の倫理規程(ファイル:<参考資料>日本福祉文化学会倫理規程)を踏まえて、個人の責任において行うこと。
 ・筆頭発表は1人1回に限る。連名となる場合は筆頭発表を含めて3発表までとする。
 ・1つのテーマについて一連の発表をする場合、2発表までとする。

《研究発表要項》
 ・発表時間は1発表につき15分、質疑応答を5分とする。
 ・すべての発表が終了後、座長の進行で討論を行う。
 ・発表の際に使用できる機器はパソコン(windows)とプロジェクターです。データは事前に送付すること(動作確認のため)。

《要旨集作成に当たっての注意》
・A4用紙(縦置き・横書き)1枚に、研究の目的、方法、内容、結論等をまとめてください。
・上下余白約20mm、左右余白約30mmを空けてください。
・ページ設定は40字×40行以内にしてください。
・字の大きさはタイトルのみ12p、その他は10.5pにしてください。
・フォントは明朝体にしてください。
・タイトル下に氏名及び所属(○○大学、××研究所など)を入れてください。
・用紙の一番下に氏名(ふりがな)、所属、著書、論文等略歴をまとめてください。
・様式は日本福祉文化学会ホームページからダウンロード可能です。
  ・ファイル:研究発表要旨集 記載様式 (Word)
  ・ファイル:研究発表申込書 (Word)(PDF)

《自由研究発表申込先》
※別紙申込書および要旨集データをメールまたは郵送にて下記まで送付ください。 
〔メール〕fukushibunka@lagoon.ocn.ne.jp 日本福祉文化学会事務局宛
〔郵便(USBまたはCD-Rデータ送付)〕
〒305-0033 茨城県つくば市東新井24-5 特定非営利活動法人 茨城YMCA内
日本福祉文化学会 事務局宛


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【自主シンポジウム申込について】
締切日:2017(平成29)年11月30日(木)(必着)

・福祉文化研究に関するシンポジウムを公募します。
・外部の講師に係る費用は一部(上限3万)助成します(希望者は申込書に記載のこと。応募者多数の場合は抽選により決定する)。
・別紙申込書記載の上、下記要旨集を作成し締切日までに提出してください。

《発表資格》
・コーディネーターは2017年11月30日現在会員であること。
・コーディネーターは2017年度会費を11月30日までに納めていること。
・登壇は1人1件とする。
・別途、大会参加申込を行うこと。
・自主シンポジウム申込書および要旨集のデータを締切までに送付すること。
 ・自主シンポジウムは日本福祉文化学会の倫理規程(ファイル:<参考資料>日本福祉文化学会倫理規程)を踏まえて、個人の責任において行うこと。
        
《要旨集作成に当たっての注意》
・以前の昨年度東京大会要旨集(交流分科会)の例(ホームページ掲載)も参考に作成ください。
・ファイル:<参考資料>2016年度日本福祉文化学会東京大会交流分科会要旨集(一部抜粋版)
・下記の項目は必ず、記載するようにお願いします。
1.開催趣旨(話題提供者の領域別の内容とは別に問題意識など)
2.話題提供者等の担当領域の紹介(話題提供者選定の理由含む)
3.話題提供者等ごとの要旨
4.コーディネーター、話題提供者等のプロフィール
ただし、自主シンポジウムの内容・形式にあわせて、必要に応じて若干の変更は構いません。
・A4 サイズ(文字数40字、行数45行)で最大4ページに収めてください。
・様式は日本福祉文化学会ホームページからダウンロード可能です。
・ファイル:自主シンポジウム発表要旨集 記載様式 (Word
・ファイル:自主シンポジウム発表申込書 (Word)(PDF)

《自主シンポジウム申込先》
※別紙申込書および要旨集データをメールまたは郵送にて下記まで送付ください。 
〔メール〕fukushibunka@lagoon.ocn.ne.jp 日本福祉文化学会事務局宛
〔郵便(USBまたはCD-Rデータ送付)〕
〒305-0033 茨城県つくば市東新井24-5 特定非営利活動法人 茨城YMCA内
日本福祉文化学会 事務局宛


 
 
 

 


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